花待ち顔
最近は、あと何人の客の相手をしたら君に会えるのだろうか、ということだけを考えている。
待っている間にしわくちゃのおばあさんになってしまったら、どうしようかな。
横浜のメリーさんは、契あった米兵を待ち続けて、ずっと白いロリータを着て赤い口紅を塗って港町で立ちんぼをしていたらしい。
私はメリーさんにはなりたくないんだけどな。
「愛しい人よ君に出会えた喜びに花咲かせた穏やかな私はもういない」
寂しいとすら感じなくなった。初めからなかったのだと思えば、喪失感を感じずに済むから。
「君の顔を見ても 何も感じないよ そうやってずっと 騙されればいいさ 僕の昔の傷に 比べれば…」