放蕩娘日記

人生が辛い倫理オタクのブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

人生の大分早い時期に、「自分はきっと親の理想に応えられないんだな」ということを悟ってしまい、それ以降ずっと大学受験までに死ななければならないと思っていた。 小学生の頃に『人間失格』を読んで、親の期待に背いた人間の末路の残酷さを知ってしまった…

後悔

父親が累進課税による高額納税に嫌気がさして、仕事を辞め、家で廃人のように爆音で戦国BASARAをプレイして日々を過ごすようになった時、同級生の生活保護で暮らしている女に「お前みたいなのがいるから父みたいな人が苦しむんだ。お前もお前の母親も、水商売…

十字架

遠縁に、桜蔭高校から国立音大に行って発狂した女性がいた。父親の再従姉妹だ。 私はその女性と同じ、目の下に笑窪があったから、祖母に心配されていた。ピアノも早いうちにやめさせられ、油画も禁じられた。 身を立てられるほどでないのに中途半端に芸術に…

メイド

祖母の家には2人のメイドがいた。インドネシア人のムジとフィリピン人のアジ。 アジは英語が堪能だったが愛想が悪くて苦手だった。一方、ムジは言葉が通じなかったが、私と妹に優しくしてくれたのが印象的だった。スマホ等がない頃に、彼女なりに調べて林檎…

幸せだった頃

クリバンキャットのオーバーサイズのTシャツをワンピースのように着た、まるまると太った父と一緒に柿の種を食べながら、「チキチキマシン猛レース」や「バビル二世」、「昭和ムーミン」を見ていた頃は 祖父からお金の工面の電話が鳴り続いても、借金取りがクリス…

ゆんちゃん

幼稚園の頃、幼稚園のカリキュラムに手習いがあるわけでもないのに、みんなは当たり前のように平仮名を書けていた。私だけ平仮名が書けなかった。母親も平仮名を書けなかったから、家でそれを教わることが出来なかった。 ゆんちゃんという女の子がいた。いつ…

百年戦争

両親は留学先のイギリスで恋に落ち、夫婦となった。母はイギリス領で生まれ育ち、名誉イギリス市民として生きた。朝食にはスコーンが出され、バーバリーの上着が供され、クリスマスにはミートローフを食べていた。母校はアメリカ改革派教会がたてた学校であ…

あっくん

蝉の声を聞く頃になると思い出すのは楡周平の『蝉しぐれ』とそれを読んでいた敦くんのことだ。 敦くんは小学四年生の時のクラスメイトで、本と歴史が好きで歴史少年と呼ばれていた。その頃、司馬遼太郎の『燃えよ剣』や『人斬り以蔵』を読んでいた私は彼と意…