放蕩娘日記

人生が辛い倫理オタクのブログ

大学時代、それなりに仲が良いと思っていた人間に「クソチャイナ」と言われた件について、もう数年引き摺っている。 香港は中国ではない(諸説あり)とか、母親はイギリス国籍がある、とかそんな事よりも 自分の所属している集団に、そんな無教養で不躾で差…

「親が医者だから調子に乗ってる」というようなことを、同じ大学の、関わったことのない女に言われて一年近く思い悩んでいた。 どちらかと言うと、私は父が医者なのが嫌だった。正月早々「ヤッター!心臓手術だ!○○万」と騒ぐ父を見て、人の不幸の上に成り立…

あれから何人かの男の人と付き合ってみたりして、所謂普通の女の子が言う「幸せ」な状況を何度も味わったのに、幸福でないのは、貴女が残した棘が心から消えないからだと思う。 彼女といた時間より尊い時間が、2015年3月から更新されずにいる。上書きできる…

人生の大分早い時期に、「自分はきっと親の理想に応えられないんだな」ということを悟ってしまい、それ以降ずっと大学受験までに死ななければならないと思っていた。 小学生の頃に『人間失格』を読んで、親の期待に背いた人間の末路の残酷さを知ってしまった…

後悔

父親が累進課税による高額納税に嫌気がさして、仕事を辞め、家で廃人のように爆音で戦国BASARAをプレイして日々を過ごすようになった時、同級生の生活保護で暮らしている女に「お前みたいなのがいるから父みたいな人が苦しむんだ。お前もお前の母親も、水商売…

十字架

遠縁に、桜蔭高校から国立音大に行って発狂した女性がいた。父親の再従姉妹だ。 私はその女性と同じ、目の下に笑窪があったから、祖母に心配されていた。ピアノも早いうちにやめさせられ、油画も禁じられた。 身を立てられるほどでないのに中途半端に芸術に…

メイド

祖母の家には2人のメイドがいた。インドネシア人のムジとフィリピン人のアジ。 アジは英語が堪能だったが愛想が悪くて苦手だった。一方、ムジは言葉が通じなかったが、私と妹に優しくしてくれたのが印象的だった。スマホ等がない頃に、彼女なりに調べて林檎…

幸せだった頃

クリバンキャットのオーバーサイズのTシャツをワンピースのように着た、まるまると太った父と一緒に柿の種を食べながら、「チキチキマシン猛レース」や「バビル二世」、「昭和ムーミン」を見ていた頃は 祖父からお金の工面の電話が鳴り続いても、借金取りがクリス…

ゆんちゃん

幼稚園の頃、幼稚園のカリキュラムに手習いがあるわけでもないのに、みんなは当たり前のように平仮名を書けていた。私だけ平仮名が書けなかった。母親も平仮名を書けなかったから、家でそれを教わることが出来なかった。 ゆんちゃんという女の子がいた。いつ…

百年戦争

両親は留学先のイギリスで恋に落ち、夫婦となった。母はイギリス領で生まれ育ち、名誉イギリス市民として生きた。朝食にはスコーンが出され、バーバリーの上着が供され、クリスマスにはミートローフを食べていた。母校はアメリカ改革派教会がたてた学校であ…

あっくん

蝉の声を聞く頃になると思い出すのは楡周平の『蝉しぐれ』とそれを読んでいた敦くんのことだ。 敦くんは小学四年生の時のクラスメイトで、本と歴史が好きで歴史少年と呼ばれていた。その頃、司馬遼太郎の『燃えよ剣』や『人斬り以蔵』を読んでいた私は彼と意…

雑感

七瀬さんの小説の、主人公が死に際の母親に散々なことをしたのが露見して親族に勘当されるシーンで、父親に「最後になにか言いたいことはあるか?」と問われた主人公が「受験だけはさせてください」って答えたの、すごく「わかる」

怪文書

平野は僕のミューズだった。 締りの良い膣を連想させるキュッとした足首も、肌が弱くて汗をかかないように遅めの時間に日傘をさしながらゆっくり歩いて登校してくる姿も、文字映えして好きだった。 何よりも、平野が、彼女の両親の長年の不妊治療の末に生ま…

考察

「彼女は頭が悪いから、同じ人間だと思えなかった」 だから彼らは女子大の女に暴行してもいいと思ったんだろうし、モノのように扱うことが当然だと考えていたんだと思う。 人生においてほんの一時期だけだけれど、エリートの端くれにいたので、そういった人達…

契約

約束の締結と、それを正しく履行してもらうことの繰り返しが快感だった。 私は本来、他者を束縛したりするのは好きではない。日頃は他者を信頼して、それぞれの生活をもちながら、「約束の日」を待つのが好きなのだ。それが「クリスチャンであるせい」なのかどう…

肉塊

結局のところ君が好きなのは私の「ガワ」にすぎない。 それは単なる女体であって、私という人間ではない。私の人格を全く愛していないから、私が言ったこと全てに言い返してくるんだと思う。 喋ることを制限された私は肉の塊でしかない。 肉欲の対象にするこ…

位相

「今の私が違うわたしでも好きになってくれたかな 中身の部分の魅力にちょっとでも気付いてくれてるかな?」 今の私があるのは、あらゆる因果によるものだ。 例えば、顔が可愛かったら絵なんか書かずにずっと自撮りして中高時代を終えたかもしれないし、共学…

何以

君が「某後輩って可愛いんですか?」と聞いてきたので、彼女の写真を見せたら、「えりなさんがこの顔だったら、好きにならなかったかも」と言われてしまい、ヒェッってなった。 「見た目を好きにならないと中身を知ろうとは思わない」ってHey! Say! JUMPの山田く…

「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」 ジャン・コクトーの一行詩の堀口大學訳であるこの一節が、私はとっても好きだ。 兄から誕生日祝いに真珠のピアスをもらった。真珠そのものも好きなので嬉しかったが、何より私が海を好きな事を憶えていてくれたことが…

just be friends

「巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」 示し合わせたわけでなく、二人が西と東で夜を明かした日の未明に、「眠れないね」とやり取りをしている時に私が送った歌が、上記の紫式部の和歌だった。送った後に、この歌は友情の和歌だ、と…

せめて今日だけは消えないで

しばらく何も書けなくなるくらい、実際に会った君は衝撃的だった。それ関連の感情の機微については一生書けてしまうので、この記事では書かないでおく。 PIKA★★NCHIDOUBLEを聞いていて、「終わったはずの夢がまだ僕らの背中に迫る」という歌詞が刺さりすぎて苦…

spoil milk

自分の中で「終わった」と思っていることを、やり直すということに対する苦手意識が非常に強い。だから、絵をもう一度描くということは無いだろうし、大学院進学への熱も、以前ほどはない……。 昔の恋人に「小説を書け」と説教されていた。もう書けないよ、と泣い…

地獄の番犬

数年ぶりに、全く話題にあげないほうの昔の恋人の演説みたいなのを聞いて知恵熱を出した。相変わらず、頭が悪い人達に対してキレて感極まって泣いていて、啓蒙主義貴族って感じでそこが好きだったなぁと思った。「知識がなくてもいいけど知識に対する敬意が欲…

雑感兼箴言

また宣教師外交をしてしまった。反省している。私に宣教師外交をさせないでほしい。様々なリテラシーを高くしてほしい。自ら様々学んで欲しい。ただそれだけなのに。 知識も学歴も無い人の文書は、棒人間しか書けない人の漫画と同じだと思う。それを作品だと…

後輩

ちぐちゃん(仮名)のことを考えている。 ちぐちゃんはインターネットで知り合った業種の違う商売女仲間の女の子である。私の先輩によく懐いていて、私のことを「先輩の後輩だから」という理由で少し一目置いてくれていた、謎の少女であった。 ちぐちゃんの…

商売女

人を喜ばせるのが好き、なので今の仕事がなんやかんや天職なんだと思う。銀行に入った時も、人を喜ばせるのが好きだからみたいなことを志望動機で言っていたけど、人を喜ばせる仕事ではなかったね、アレは……。 「全員に優しいのは、誰にも優しくないのと同じ…

人魚姫

昨晩、急に声が出なくなった。何を喋ろうとしても、「あ」と「う」の音しか出ない。恋が叶わなかった人魚姫は、声を失って泡になるんだったなぁ、なんてことをぼんやりと考えていた。 (リスパダールを大量に飲んでドーパミン抑制して、筋肉の硬直を取ったら…

幸福論(n回目)

「嫌いな人間が不幸だと嬉しい」なんて絶対に思わないけれど、自分が不幸な時に「幸せ」を見せつけられて苦しくなっている。 なぜ、私は幸せになれないのだろうか。穢れた血が流れているから?親の言いつけに背いたから?(大庭葉蔵みたいなこと言うな…)洗礼式…

差し引き

あらゆるモノは差し引きゼロになるように作られている、と私は思う。だから、お客さんから気持ちを向けられるぶん、恋人から私への気持ちが減っていくんだな、と思って悲しくなる。 「彼女/奥さんに内緒で会いに来ちゃった♡」みたいなお客様が両手で数え切れ…

シルバーの腕時計

つんく♂さんの「シルバーの腕時計」の歌詞が好きだ。「誕生日にもらった腕時計、今も時を刻んでる。美しい思い出たちならとっくに止まっているのに。」ここの対比がすごく好きだ。私があげた時計も、まだ時を刻み続けているんだろうなと思うと、複雑な気持ちにな…