放蕩娘日記

人生が辛い倫理オタクのブログ

神様のいた島

私にはかつて神様がいたの。神様が死んだ日、ユウカちゃんと神社に行った。渡し船に乗って行ったその神社では、狐が祀られていて、私の神様だった女の子と似ていてそれがまた泣けた。ユウカちゃんも同じ女の子を崇拝していたから、二人で「神は死んだ」を体感しながら、海辺のカフェーで梅酒を舐めていた。

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ユウカちゃんは一番の友達だった。粘膜接触が嫌いで、女が嫌いなのに、私の恋愛の話を聞いてくれていた。空の近くに住んでいて、ユウカちゃんの家から花火を見た時、それは球体だった。

 

ユウカちゃんは歌舞伎町の闇に呑まれて消えちゃった。もう会えない。私の中にはユウカちゃんと行った島でおそろっちにした勾玉と、思い出だけが残っている。

 

この島の神社は、なんでも願いを一つ叶えてくれる。ユウカちゃんと行った時、私は昔の恋人とまた恋人となることを願った。そして、昔の恋人とまた友人に戻った頃、ユウカちゃんはいなくなってしまった。神様が連れて行っちゃったのかもしれない。私の神様は、一つしか与えてくれない。

 

忘れられない人が沢山いる私は、どうして神様に許してもらえないのでしょうか。忘れられない人がいるからといって、決して今が不幸である訳ではないと、辻仁成も小説に書いていたけれど、神様は神様だけを見ない人間は嫌いなようです。キリスト教の神もユダヤ教の神も妬む神ですね。十戒を守れなかった私は地獄でまた大切な友達と昔の恋人、そして私の神様とまた酒を酌み交わしたいものです。