放蕩娘日記

人生が辛い倫理オタクのブログ

アドベントの話

 昔懇ろだった相手から「元気?」と意味のない連絡が来る季節になりました。日本人の一部はアドベント期間になるとクリスマスに粘膜接触する相手を探し求めるようでとても気持ちが悪いです。冬の寒さは人を愚かにさせて嫌ですね。夏の暑さも同様ですが。

 アドベント待降節。「待つ、ということの喜びを感じましょう!」とシスターは言うけれど待つことは喜ばしいことでしょうか。太宰治檀一雄と熱海旅行に行った時に食事処で待ち合わせが足りず東京までお金を工面しに行ってくる!といって檀を置いて帰京したものの一向に金を持って迎えには来なかった、檀が東京に戻り文士と将棋を指している太宰を見て怒ると太宰は一言、「待つ身が辛いかね 待たせる身が辛いかね」。いや待つ身がつらいでしょう。

 しかしながら、待たせるという手法は巧妙であります。『ノルウェイの森』の直子は僕に「待ってて」といって焦らしていますし、『夢十夜』の女も「100年待って」と言っています。すぐ心変わりをしてしまう者を切り落とすには、待たせることが大切なのですね。

 キリスト教における救い主、イエスの再臨はまだ実現されておらず、天の国もまだ完成には至っていません。信者に待つことを望んでいるのは、信者に目先の欲望によって揺らいでしまうのではなく先を見据えた選択をしてほしいからでしょう。ミサや秘跡でイエスを記念することで(ある神父はアナムネシスと言っていました。)彼を忘れない、そして彼を覚えて生きることで救われるというのはなんだか遠距離恋愛のようです。見えないものを信じる能力、待つこと、それが出来るようになりたいと思ったアドベント期間です。

 

ブログ一ヶ月近くサボってしまいました。アルバイトと中間試験に追われて3日休んでしまったらなかなか書き出せなくなってしまって「あっ、不登校の生徒って一回休んでしまったらなかなか次学校に来られない感覚はこんな感じなんだな!」という気付きが得られました。