放蕩娘日記

人生が辛い倫理オタクのブログ

最終決戦

 「さようなら」を言うために会ったのに、そのたった5文字の言葉はついにぼくの口から出ることはなかった。「君にさようなら 電話で告げた」って不誠実だな、と思っていたけれど、会ったらさようならと言えないから仕方なしに電話で言ったのかなと、今なら様々に思い当たることもあるな。

 

 男の人にも女の人にも虐げられた人生だったんだ。顔面が醜悪すぎて小学生のころはいじめられていたし、顔面が醜悪だからと勉強を頑張ったら上手くいってしまってそっちでもいじめられたし、母親が外国人だからという理由でもいじめられてた。本の世界にしか僕の救いはなかった。このまま誰にも愛されずに死ぬんだと思いながら、在原業平が『九十九髪』的な感じでいつか抱きにきてくれるんじゃないかとか考えてるキモ文学少女だった。(でも姫野カオルコの処女三部作読んでめちゃくちゃ絶望していた)

 

はじめて私によくしてくれたユキちゃんと、君のことは、多分一生大好きだ。

 

君は太宰治みたいに優しかったし、太宰治みたいにサイテーで、そこが大好きだった。大場葉蔵っぽさも直治っぽさもあって、優しくて弱い絶望してるおぼっちゃまなところが本当に好きだった。

 だから君に「(東大生じゃないのに)勉強してる女の子気持ち悪い」って言われたとき本当に無理になっちゃった。でも君も、もし地理とか観光とか、自分の好きな学問が学べるところに身を置けたら学問に打ち込んでたと思うんだ。だから君が親のお勉強マシーンになって不本意な学部で勉強してるのがめちゃくちゃ悔しかった。救いたかった。

 僕は君を救えなかった。だけど、君みたいな人や僕みたいな人を救いたい。好きな学問を好きな時に学べるプラットフォームを作りたいし、そのために融資したい。子供が好きな進路を選べるようにローンや奨学金をなんとかしたくて、銀行員か塾の経営者になりたいと思ってる。就活、僕の最終決戦、人を救えるかどうかの瀬戸際。頑張るから、みんな応援してください…。