放蕩娘日記

人生が辛い倫理オタクのブログ

ぐすん…

 

   「カテリーナ・イワーノヴナは一度だって僕を愛したことなんぞないんだ!  僕が自分の愛情をただの一言も決して口にしなかったとはいえ、この人を愛していることは、最初からずっと知っていたのさ。知ってはいたが、僕を愛してはくれなかった。僕がその人の親友だったことも、やはり一度だってありゃしない。プライドの高い女性は僕の友情なんぞ必要としなかったからね。その人は絶えず復讐するために、僕を身辺にひきつけておいたのさ。」

 

     「僕はあまりにも若く、あまりにも強くあなたを愛しすぎた。あなたにこんなことを言うべきではない、さりげなくあなたのそばを離れて行くほうが僕としてもずっと立派だってことは、承知しています。そのほうがあなたにとっても、これほど侮辱ではなかったでしょうからね。でも僕は遠くへ行ってしまうんだし、もう二度と帰ってこないんだ。これが永遠のお別れですからね……僕は病的な興奮なんぞにお付合いしていたくないんですよ……もっとも、もう言うことはありません、みんな言っちまったから……さようなら、カテリーナ・イワーノヴナ、僕に腹を立てちゃいけませんよ、なぜって僕はあなたの百倍も罰せられているんですからね。もう二度とお目にかかれないという、その一事だけで、すでに罰せられているんです。さようなら。お別れの握手は要りません。あなたにあまり意識的に苦しめられたので、この瞬間、あなたを赦すわけにはいかないんです。いずれ赦すでしょうが、今は握手は要りません。」

 

中学生の時初めて『カラマーゾフの兄弟』を読んだ時、イワンがカテリーナが自分のこと好きになってくれなくてずっと友達でいようね〜みたいな態度とってることにぶちギレるこのシーンが怖すぎた。

 

私はいつまでもずっと友達でいられるなら、それよりもいい事なんてないと思うんだけど、友達という関係性って私が思うよりも脆弱で拘束力なくて、だから「友達」だと思ってた人に告白されると、

「うーーーーーん。でも、これ断ったらもう二度と私と会ってくれないのかな〜」って思っちゃうし、それが嫌でしゃーなしで(…)付き合う、という選択を取ったこともある。

 

ねえなんでずっと友達でいてくれないの。ズルいじゃん。君のほかの友達がズルいよ。憎い。私もそれになりたかった。

 

 友情って、なんで蔑ろにされちゃうんだろうね。プラトンの『饗宴』読んでね。フィリアーがいちばん尊い感情だよ。はぁ。エロースばっか向けてくんな。

 

君の友達は、君と性愛をしなくても君の気が引けて羨ましくて死にそうですけど。