精神
君がいなくても世界はまわっていくんだ、ということがとても怖かった。君に必要とされている時だけ私にとって世界ー内ー存在が成立している、と思っていた。君の心の内に実存を失った私は、私のままであるのだろうか。君のことを好きでなくなってしまったわたしは、元の私とは変えられてしまった存在になっているような気がする。
今生きている世界だけが世界ではない。理論上、異世界やパラレルワールドは確実にあって、うっかりしているとあちら側へ飛ばされてしまう。
眠るのが怖い。夢で見ている世界は、記憶の整理や欲望の発露じゃなくて、実際にある平行世界なような気がしてきた。私が寝ているのではなく、異世界の私が生きている時間が睡眠時間なのではないかとさえ思ってきた。むしろ、今私が私だと思っているこの存在が夢なのかもしれない。
あらゆることに対して現実感が湧かない、ので、生きていることが苦しい。結局のところ夢と現実の区別がつかないような生活をしているから、精神が終わっているのだと思う。
そりゃ、高校生の頃の私は、今の私が全てのレールを破壊して、脱線事故を起こした列車みたいな人生を送っているとは信じられないからね。
どうやったら人生に当事者意識が沸くんだろう。